当時の私は、心身ともにボロボロでした。
夫からの突然の不倫報告、そして離婚したいという申し出。
私は離婚したくありませんでした。何度も話し合いましたが平行線のまま。
夫は離婚に向けて一直線。
子ども2人いる責任ある父親が中高生の純愛かよ、とあきれながらも、私は何とか修復したい。
当時は本当に苦しくて情けなくて、毎日疲れ果てていました。
そんな中、いよいよ私も腹をくくり、離婚に向けた手続きを進めることになりました。
まず何から始めればいいのか分からず、とりあえず市役所へ。
どこの窓口に行けばいいかも分からず、入口付近で案内をしていた方に声をかけると、優しく教えてくれました。
整理券を取って待ち、案内された窓口へ向かうと、離婚関係の相談窓口はパーテーションで区切られていました。
周囲の人から見えないように配慮されている優しさが、当時のズタボロの私にはとてもあたたかく、身に染みたのを覚えています。
そういえば、最近人から優しくされてなかったな…
窓口では、離婚手続きのマニュアルのようなものを渡され、必要な手続きをひとつひとつ丁寧に説明してもらいました。
私、おそらく相当暗い顔をしていたと思うのですが、担当してくださった方は事情を深く聞くこともなく、でも静かに察してくれている。傷つかないように言葉を選びながら、優しく丁寧に説明をしてくれました。
ここのところ傷つくことしかなかった私の心が、その時じわじわと少しずつ癒されていくのを感じました。
また別の日。
今度は年金分割について聞くために年金事務所に行きました。
そこでも窓口の方が本当に親身になって対応をしてくれました。
私が損をしないように、一つ一つ制度を説明してくれて、的確な答えをくれました。
「だんなさん、コロコロ職場を変えていますね。」とちょっと悪口を挟みながら。
それがまた救われる…
大げさな励ましの言葉があるわけではないのですが、でも静かに、そして力強く味方をしてくれているような安心感。
離婚を決めたばかりのころの私は、真っ暗なトンネルの中にいるような気持ちでした。
先のことなんて何も見えない。
不安しかない。
だけど、市役所や年金事務所で出会った方々のやさしさのおかげで思えたのです。
「私はひとりじゃない」
「ちゃんと助けてくれる人がいるんだ」
と。
離婚は本当に苦しかった。
でも、あの時出会った人たちの優しさは、今でも忘れらません。
人生のどん底にいるときほど、人の優しさは心に染みるものなのですね。

